私たちが育った昭和40年代は物脂肪はコレステロールを上昇させるからできるだけ少なくして植物油に代えましょう。
リノール酸の多いものにしましょう。
バターはコレステロールをあげるので、ソフトマーガリン(リノール酸がかなり入っている)にして下さい。
というのが定説で、私自身も毎朝トーストにマーガリンを塗って育ちました。
それが、その後のいろいろな研究で、だんだん「リノール酸神話」がくずれはじめ、今や植物油はリノール酸が危険なので、植物油の摂取はできるだけやめる。
マーガリン(特にリノール酸あるいは人工的トランス脂肪酸のふくまれるもの)は危険なため、少量のバターにする。
たとえコレステロールが入っていても、魚は貴重なEPA・DHA源であるため、積極的に食べる。コレステロールの低下より、脂肪酸栄養の改善の方が数倍重要。と真逆になってしまっているのです。
リノール酸はカラダに取り込まれるとプロスタグランジンE2・・炎症、発ガンの可能性も
リノール酸/アラキドン酸/トロンボキサン・・過剰になると心筋梗塞・脳梗塞
ロイコトリエンB4・・アレルギー物質のもと
と変化しいろいろな困った症状を引き起こす物質のもとになります。
また、リノール酸は体にたまりやすく皮下脂肪になりやすいのです。
日本は先進国の中でもリノール酸の摂取比率が非常に高く、母乳中の脂肪酸分析を各国で比較した研究では日本人の母乳中リノール酸の占める割合14%、ドイツ10%、オーストラリア14%より高く、アメリカ16%に近いというデータがあり、最近の乳児にアトピーが非常に多いのも、母乳中のリノール酸過多が関係している可能性があるとされています。
また、4900名ほどを対象とし、1993年から6年間追跡調査した大規模な日本脂質介入試験では、食事指導をしてリノール酸を増やすと皮肉なことに心筋梗塞、突然死が増えたという結果になりました。
これらのことをふまえて、大きな目安として、現在1日13g摂られているリノール酸を半減して、6~7gに押さえるように勧められています。
リノール酸、アラキドン酸に代表される脂肪酸は専門的にはn-6系不飽和脂肪酸と呼ばれ、マーガリン、サラダ油(ひまわり油、コーン油、紅花油、大豆油など)ごま油、動物性油(牛肉、豚肉、鶏肉など)、スナック菓子などに多く含まれています。 これに対し、n-3系不飽和脂肪酸と呼ばれる推奨される油があり、これらは魚油、シソ油、エゴマ油などに多く含まれるα-リノレン酸、EPA、DHAなどがあります。
もう一つこわい問題があります!!
不飽和脂肪酸は自然界ではほとんどシス型ですが、工業的に作られる油にトランス型の脂肪酸があり、これがとても悪いやつなのです!!
トランス脂肪酸の多く含まれる食品を食べ続けると、LDLコレステロールが増加し、善玉のHDLコレステロールが減少する。また血中の炎症マーカーが増加することも分かっています。また大規模調査から心筋梗塞が増加することも示されています。
工業的に生産されるトランス脂肪酸が多く含まれている食品
①ファーストフード(フレンチフライ、チキンナゲット)
②油をしみこませたお菓子(コーンチップ、ポップコーン)
③パン類(デニッシュロール、パイ、ドーナッツ)
④マーガリン類(ショートニング、ソフトマーガリン、ハードマーガリン)
⑤その他(クラッカー、ホットケーキ、クッキー、ケーキ)
しかし、日本で売られている食品のトランス脂肪酸含有率はメーカーによって大きな差があり、1%以下のものから40%程度多量に含まれている製品までいろいろあります。
ニューヨーク、デンマークなどでは食品中に含まれるトランス脂肪酸量を規制しているところもあり、見た目では分からない以上日本でも早急に規制が望まれるところです。
「エコナ」から学ぶこと
私たち業界のグループの間では良くないと言われていた「エコナ」やはり販売中止になりましたね!!
「食後の血中中性脂肪が上昇しにくく、しかもカラダに脂肪が付きにくい」のうたい文句でした。しかし主成分は合成化学物質で、ある研究者は早くからその物質が発ガンプロモーターの可能性があると提言していました。
そんな商品ですら「特保」になっていたのですから、何が本当に良いのか分からなくなりますね。では、いったいどうすればいいの???
私のおすすめ!!
まずは食事を和食中心にして、ファーストフードなどを減らすこと。
それで補えない部分は、当店のシソ油、シーアルパ100や腸の関門をしっかりさせる乳酸菌製剤、肝臓での解毒を強化する三七製剤がおすすめです。