第二次世界大戦で特攻隊員として亡くなった「岡田准一」扮する宮部久蔵。知られざるその生き様を孫の「三浦春馬」扮する佐伯健太郎が、当時の戦友を捜し当てながら追い求めていくというストーリーでした。 初めのうち同僚(?)から聞き出す宮部久蔵のイメージは「戦闘を逃れようとする意気地なし」とか「死ぬのを怖がっていた弱虫」など、悪い印象ばかり。当時、お国のために潔く命を捧げることが名誉とされていた時代。自分のおじいちゃんのことを悪く言われて、姉と一緒に調べていた健太郎は投げ出したくなるほど嫌気が差したのですが、だんだんもっと身近にいた部下や戦友に、久蔵の本当の目的は生きて妻や我が子の元に帰ること、か弱い妻子をおいて死ねないという思い、人間の命の大切さを熟知しているが故の言動や行動だったことを知らされ、祖父に好感を持ち始めるのでした。
命の尊さをいつも説いていた久蔵は、上司にボコボコにされても死んだ同僚の名誉を守ろうとし、そんな姿を見て最初は馬鹿にしていた部下たちも次第に尊敬するようになりました。それなのに、最後に特攻隊として敵艦に突っ込んでいってしまった久蔵。その謎が健太郎には理解できずにいたのですが、それに関わるキーパーソンが二人。いい展開で映画はエンディングへと続いたのでした。
ところで、昭和30年代に生まれた私でさえ、戦時中のことはマスコミなどで得た知識しかなく、「非国民」というレッテルを貼られることがどんなに辛いことなのか想像するしかないのですが、一緒に見に行った平成生まれの息子などは、ほとんどイメージできないと思うのです。国民全体が右を向いているときに、一人左を向くことが正しいんだと主張することが、どれほどの勇気と信念の強さが必要かと言うことが想像を超えているのではないかと思いました。私たち昭和30年代生まれも含め、現代の若者はえてして群衆の中で同じように振る舞っていることで安心感を得、人と違ったことを主張する強さに欠ける人が多いと思います。そんな中で先日、画期的な発見をした「小保方晴子」さんは関係者から罵倒されてもめげずに研究を続け、自分の考えが正しいことを突き止めたすごい信念の持ち主だと感服しました。
私自身も、宮部久蔵や小保方晴子さんを見習って、人に何と言われようと信念を貫き通す強さを持たなくてはと考えさせられました!!